間違いだらけのなぜなぜ分析(前編)~よくない例~

化学品管理子ははっきり言います。「ちまたにはびこっているなぜなぜ分析のほとんどは、間違っている」と。

事例「クリップを間違えて20箱も注文してしまった」

あなたは、上司から「クリップ20個注文しておいて」と言われましたが、誤って20箱注文してしまいました。机の上はクリップでいっぱいです。困りましたね。

こんなことが二度と起きないように、なぜなぜ分析をやりましょう。

よくないなぜなぜ分析の例

よくある間違いです。何が悪いのでしょう?

  1. そもそも設問の設定が不適です。本当は、困りごとは間違えて発注したことではなく「400個も届いて机がクリップでいっぱいになってしまった」ことです。
  2. 設問の設定が不適なのでその原因を探っても正しい真因にはたどり着かないのですが、分析としては「他の人でも起こらないわけではない」のでこれは真因ではありません(原因の一つではあるかもしれません)。
  3. なぜなぜ分析の「原因」は「それを排除すれば必ず事象がなくなる」ものでなければなりません。うっかりしていたのは原因のひとつではありますが、あなたがお休みで他の人が発注していたら?うっかりというけれど、集中できなかった理由はほかにないか?等、まだまだ分析不足です。
  4. あなたが今度気を付けたら防げるというものではないし、他の人が同じ間違いをするかもしれません。したがって、対策も不適です。

もっと悪い例

  1. そもそも設問が不適切であるのは上記1と同じ
  2. うっかりしていた…も上記2と同じ
  3. こうなっちゃうともう仕事でなくなっちゃう。なぜなぜ分析としては失敗。私がいなくなれば…なんてのも対策ではなく、他の人が同じ間違いをするかもしれないという点においては有効な対策ではない。

次の投稿で、正しいなぜなぜ分析のポイントを解説します。