化審法における化学物質の整理-改(2026年4月改正運用通知より)

ここでは、2026年4月1日施行予定の化審法運用通知で、改めて整理された既存化学物質等について整理します。化審法の既存/新規判定が覆るというものはなく、あくまで考え方の整理ととらえるのが良いようです。従来「新規化学物質として取り扱わない」と記載されていた箇所の多くは「既存化学物質として取り扱う」と書き改められ、それと同時に『化審法の他の規定における「既存化学物質等として取り扱うもの」の規定』には適用できない旨の記載が加わりました。高分子化合物の単量体として用いられる時の評価については原則変更ありませんのでご注意くださいね。

2026年3月31日までの運用通知準拠版はこちらを参照ください。

既存化学物質等(運用通知1-2)

  • イ 第二種特定化学物質・監視化学物質・優先評価化学物質・一般化学物質
  • ロ 新規化学物質で、少量新規または低生産量新規として特例申出を行い、官庁の確認又は判定通知を受けたもの(確認を受けた者が製造・輸入する場合に限る)
  • ハ 新規化学物質で、通常新規の申請を行い、官庁の判定通知をうけたもの(当該通知を受けたものが製造・輸入する場合に限る)
  • 二 ロまたはハについて、外国事業者が行う場合の準用(当該判定通知をうけた者から輸入する場合に限る)

新規化学物質であっても新規化学物質に関する規定を適用しない(運用通知)

  • 他の化学物質に不純物として含まれる新規化学物質(1-4①)
  • 試験研究(自ら試験研究のために製造または輸入する場合に限らない)(2-3)
  • 試薬(製造形態・荷姿等によって判断される)(2-4)
  • 他法令で規制される化学物質及びその素材(2-7)

既存化学物質として取り扱う化学物質
★は、化審法の他の規定における「既存化学物質等として取り扱うもの」の規定の適用も認める

化審法の他の規定における「既存化学物質等として取り扱うもの」の規定の適用も認めるとは、例えばポリマーの構成モノマー等として既存化学物質であるとして判定に使ってよいということです。逆に言うと、他のものはその物質自体は既存化学物質として取り扱いますが、例えば「その物質を構成モノマーとする高分子化合物を考えるときは既存化学物質等として考えてはいけない」ということです。

  • 構成している個々の化学物質が既存化学物質等である場合の分子間化合物、包接化合物等(2-1(1)③)
  • 無水和物が既存化学物質である場合の水和物、水和物が既存化学物質である無水和物(2-1(1)③)★
  • 有機化合物の塩又は有機化合物の金属塩(ナトリウム、マグネシウム、カリウム又はカルシウムに限る。)であって、その塩を構成する酸及び塩基が全て既存化学物質等であるもの(2-1(1)④)
  • オニウム塩であって、その対イオンがそれぞれ既存化学物質等の構成部分となっているもの(2-1(1)⑤)
  • 酸又は塩基であって、酸にあってはアニオン、塩基にあってはカチオンが既存化学物質等である塩又は金属塩(ナトリウム、マグネシウム、カリウム又はカルシウムに限る。)若しくはオニウム塩の構成部分となっているもの(2-1(1)⑥)
  • 複塩(酸性塩及び塩基性塩を含む。)であって、それを構成している各塩(酸性塩の場合は酸を、塩基性塩の場合は塩基を含む。)が既存化学物質等であるもの(2-1(2)①ハ)
  • 既存化学物質等である無機化合物を単量体とする無機高分子化合物(2-1(2)①ニ)★
  • 既存化学物質である金属塩から構成される混合金属塩(2-1(2)②ハ)
  • 有機高分子化合物で、重量割合が各々1%未満の開始剤等を含む化合物で、それらを名称に含まない別の有機高分子化合物が既存化学物質である場合(2-1(2)③ロ)★
  • 有機高分子化合物で、既存化学物質等である高分子化合物から構成されるブロック重合物(2-1(2)③ハ)
  • 有機高分子化合物で、幹ポリマー及び枝ポリマーが既存化学物質等であるグラフト重合物(2-1(2)③ニ)
  • 有機高分子化合物で、重量割合が1%未満の単量体※単量体ルールA※を含む化合物で、99%を超える単量体等から得られる有機高分子化合物が既存化学物質である場合(2-1(2)③ホ前段)
    ※単量体ルールA※新規化学物質でも、第二種特定化学物質でもよい
  • 有機高分子化合物で、重量割合が2%未満の単量体※単量体ルールB※を含む化合物で、98%を超える単量体等から得られる有機高分子化合物が既存化学物質等である場合(2-1(2)③ホ後段)
    ※単量体ルールB:既存化学物質等ただし第二種特定化学物質でないもの
  • 有機高分子化合物で、重量割合が10%未満の単量体※単量体ルールC※を含む化合物で、90%を超える単量体等から得られる有機高分子化合物が既存化学物質等である場合(2-1(2)③ヘ)
    ※単量体ルールC:
    ・既存化学物質等あれば各物質2%未満、それ以外であれば1%未満であること
    ・第二種特定化学物質ではないこと
    ・ナトリウム・マグネシウム・カリウムまたはカルシウム以外の金属を含まないこと
    ・有機高分子化合物の基本骨格に陽イオン性を生じさせないこと
    ・ヒ素またはセレンを含まないこと
    ・有機高分子化合物の化学構造中に炭素間二重結合、炭素間三重結合、炭素窒素間二重結合、炭素窒素間三重結合、アジリジル基、アミノ基、エポキシ基、スルホン酸基、ヒドラジノ基、フェノール性水酸基またはフルオロ基を生じさせないこと
  • 数平均分子量が10,000以上である高分子化合物で、重量割合が10%未満の単量体※単量体ルールD※を含む化合物で、90%を超える単量体等から得られる有機高分子化合物が既存化学物質等(である場合(2-1(2)③ト)
    ※単量体ルールD:
    ・既存化学物質等あれば各物質2%未満、それ以外であれば1%未満であること
    ・第二種特定化学物質ではないこと
    ・ナトリウム・マグネシウム・カリウムまたはカルシウム以外の金属を含まないこと
    ・有機高分子化合物の基本骨格に陽イオン性を生じさせないこと
    ・ヒ素またはセレンを含まないこと

その他

  • 固溶体又は複合酸化物は、それらを構成している酸化物等の混合物として取り扱う(2-1(2)①ロ)
  • 元素や天然物は対象外(法第2条)
  • 人為的に反応を起こさせることによらない化合物は対象外(運用通知 1-1(3))
  • 放射性物質、毒劇法の特定毒物、覚醒剤取締法の覚醒剤及び覚醒剤原料、麻薬取締法の麻薬(麻薬とみなされるものを含む)は化審法対象外(法第2条)

参考URL

以下の参考URLから令和8年4月施行分と令和9年4月施行分の運用通知を見ることができます。

化審法|厚生労働省